最高の笑顔を求めて
社会福祉法人愛育会 理事長 楠 博孝
1960年(昭和35年)6月、知的障害者の子供さん達の安心、安
全な生活の場の確保と親亡き後の生活を見守って欲しいと願う保護
者の強い思いが結集した入所更生施設「吉野川育成園」が松茂町に
設立され、早還暦を迎えることとなりました。
この間、多大なご尽力を戴きました徳島県、松茂町を始め各市町
村、保護者・地域の皆様方、関係者各位に衷心より感謝を申し上げ
ます。
この60年を振り返ってみますと、その道のりは知的障害者の皆
様を保護することから始まり、利用者ファーストへの福祉へとその
理念の変遷の歩みでもありました。
昭和40年代から北欧のノーマライゼーション理念が少しずつ
浸透し始め、1981年(昭和56年)から始まった国際障害者年の10
年でその理念は大幅に普及していきました。
入所施設においては、利用者の皆様を当たり前の生活、普通の生
活に近づける様々な取り組みが行われるようになってきました。
当法人もこの理念を先取りするかたちで地域生活移行に先駆的に
取り組み、吉野川育成園からもたくさんの人が地域生活に移行して
いきました。
また一方で、近年では高齢化してきた皆様、障害の重い皆様の支
援にも重点的に取り組み、個人の尊厳を守りながらその人らしい自
立した生活に少しでも近づくことができるよう、役職員が一丸とな
り精進しているところでございます。
この60周年を機に、当法人の基本理念「共に生き 共に育つ
つなぐ輪の広がりを求めて」のもと、さらに利用者の皆様の最高
の笑顔を求めていく所存でございます。
どうか関係の皆様におかれましては、今後共なお一層のご支援
を賜りますようお願い申し上げます。
最後になりましたが、この記念誌の発行に際し何かとご協力を
頂きました皆様に厚く御礼申し上げます。